昭和産業株式会社

ENTRY

プロジェクト01 CVS向け高級食パン 商品開発プロジェクト 広域営業部望月剛×商品開発研究所ベーカリーグループ二瀬哲郎

日本一のパンを作りたいので協力して欲しい。

食パンの低価格志向に楔を打ち込んだプライベートブランド商品がある。 昭和産業がマーケティングや小麦の調達、技術サポートなどを手がけて大ヒットした、あるコンビニエンスストア(CVS)向け高級食パンのことだ。話は2012年に遡る。その日、営業担当の望月剛のもとに、CVSの担当者からこんな連絡が入った。「日本一の食パンを作りたいので協力してほしい」。望月は各部門から急遽メンバーを集め、プロジェクトを発足させたが、実はこの打診の2年前から社内では高級食パン開発への取り組みがはじまっていた。開発を担当した二瀬哲郎は「専門店で高級パンが売れているならCVSで売れても良いはずだ」と考え試作に着手していたのだ。しかし現実の壁は厚かった。「食パンは低価格というイメージが覆せず提案がなかなか通らない状況が続いていたんです」(望月)。

おいしさを実現するために乗り越えねばならぬ壁。

長期戦を覚悟していた望月と二瀬たちだったが、にわかに吹きはじめた追い風を逃す手はない。生産技術部の協力を得て新たな小麦粉を開発し、10を超える試作品をCVS側に提案。専門店に迫る「もちもち」とした食感を実現させた。しかし次の課題がふたりの前に立ちはだかる。「この食感を実現するにはどうしても手作業が必要です。製造ラインの自動化が進んでいる製パンメーカーさんにどう対応してもらうかが次の課題でした」(望月)。「もちろんパン製造工場の方々にも、手作業の意義をご理解頂く必要があります」(二瀬)。しかし量産を担当する工場は1カ所ではなかった。それぞれの工場の現場で同じ品質を実現出来なければ、全国販売は難しくなる。彼らに残された時間はわずかだった。

この商品を世に出したい。その熱意が現場の気持ちを動かす。

100を超えるベーカリーのパンを食べ尽くし、ようやくたどり着いた理想の食感だった。味わいと品質の高さには相当の自信がある。手間のかかる工程と引き換えに品質を落とすわけにはいかない。「従来の工程と、われわれの提案する工程でどれだけ違いがあるか客観的データで示したり、実際に食べて頂いたりして地道に説得していきました」(二瀬)。当初「そんな高い食パンが売れるわけがない」と懐疑的だった者でさえ、試作品を口にした途端、食パンとの違いに驚嘆の声を上げた。なんとしても世に出したいという気持ちが通じた、製造を担当する人々の気持ちを動かしたのだ。

プライベートブランドに革命を起こす製品が誕生。

テスト販売では予想の2倍以上という驚異的な売上を記録。関係者からの高い評価を得て、2013年4月に正式発売に漕ぎ着ける。売れ行きは前評判通りで、のちにメディアが「プライベートブランドの革命」と騒ぐほど爆発的なものとなる。無論、好調な売れ行きをよろこんだ彼らだったが、その成功にあぐらをかくことは最後までなかった。「現在も半期に一度は内容を見直し品質を向上させ続けている」(望月)のだ。開発の二瀬も「この仕事でこだわりの強い商品が売れたことが証明出来た。これからも新しい挑戦に取り組んでいきたい」と次世代製品の開発に意欲を燃やしている。

プロジェクト後記 彼らが