大学時代の春休みに、青森の実家で東日本大震災を経験したことが自分の進路選びに大きな影響を与えました。直接の被害はなかったものの、地域一帯での停電などがあり、インフラを支える仕事に強い興味をもちました。就職活動では、当初はエネルギーや交通といった一般的に思いつくインフラ関係の企業を受けていたのですが、大学の就職課で「絞りすぎない方が良い」とアドバイスを受け、視野を広げた時に気づいたのが食品業界でした。考えてみれば食品は大切な生活基盤の一つで、上流に位置する原料メーカーは、より重要な役割を担っていることになります。中でも昭和産業は、小麦粉やでん粉、食用油など扱っている商品が幅広く、それだけ影響力も大きいと考えて入社を決めました。入社してから担当しているのは、まさに工場の安定稼働を支える設備技術の仕事です。我々が設備や機器を中心に、製粉・油脂・糖質の各専門技術グループが工程など製造に近い立場で、生産ラインの保全や更新、新たな設備の導入などに取り組んでいます。
「テクニカル企画推進部設備技術グループ」の仕事とは
テクニカル企画推進部設備技術グループの役割は、RD&E戦略を推進し生産活動の最適化を図ること、労働安全・製品安全・安定供給・環境負荷軽減などのために「生産技術」と「設備技術」を向上させること。また、技術・技能を担う人材の育成も重要な役割になります。その中で設備技術グループは、設備投資予算の管理・実行、設備技術の共有化・標準化、環境負荷低減対策などを担っています。
「食品」は重要な生活基盤の一つ。
それが入社の決め手になりました。
早くも任された新ラインの増設。
苦闘しつつも成長を感じています。
鹿島工場の生産ラインは、基本的に24時間動き続けています。ただ、3〜4ヵ月おきの定期メンテナンスや1年や3年ごとの定期点検があり、入社1年目はそうした整備や点検を通じて、各機器の構造や特徴を学んできました。新設や更新に伴う生産ラインの設計や工事が我々の主な仕事になりますが、それには機器と製造工程のことを知っていなければなりません。そして2年目に入って初めて新規工事に参加し、ここでは機器の選定を経験しました。さらに3年目を迎えてすぐに新ラインの増設プロジェクトを任され、現在も継続しています。このプロジェクトでは、企画からメンバーに加わり、工程設計・機器選定に参画し、垂直立ち上げを目指しています。これほど早い時期に生産ラインを一からつくる経験ができるとは想像もしていなくて、チャンスをもらったことに奮起しています。もともとある古い設備をいつ、どのように撤去すれば良いのか。前後の工程とのバランスをどのように取り、いつ切り替えるか。膨大な作業項目の一つひとつを乗り越えながら、設備技術者としての成長を感じています。
現場を担う人たちに喜ばれる
生産ライン設計を目指しています。
工場の設備の全体最適を図ること。これこそが設備技術グループの最も重要な役割ではないかと思います。設備や機器の新規導入・更新には多くの予算と労力を要するため、重要度や緊急度を見極め、どこから着手するかを判断していく事は我々のグループにしかできない役割なのです。今は上司や先輩が担っているそうした仕事を、いずれは私も担えるようにならなければと考えています。そんな中で特に気を配っているのが、製造オペレーターの意見をより多く聞くことです。故障しやすい、作業しにくい。そういった既存ラインでの改善ポイントは、製造オペレーターの声を聞くのが一番です。天然の原料を相手にするだけに予想外のトラブルに見舞われるのは避けられないのも現実で、生産現場の実情を理解した上で、それらを改善した設備の導入、生産工程設計をしていく事こそ全体最適にも取り組めると認識しています。
ONE DAY schedule
仕事後やオフの過ごし方
高校時代は陸上部に所属し、大学時代もジムに行きウエイトトレーニングで身体を鍛えていたのですが、入社してからは会社の先輩に誘われて始めたボルダリングにハマりました。会社から車で20〜30分の所にクライミングジムがあり、今は一人でも仕事の後や休日に通っています。また、学生時代から休日のパスタづくりが習慣になっていて、今も続けています(麺打ちからといった本格的なものではありませんが)。