農学系の大学でバイオ関連の研究活動を行っていた私が食品業界を志望したのは、幼い頃からものづくりが好きで、製造現場を支えるような仕事がしたいと思っていたためです。あわせて衣食住に関連する仕事なら需要がなくなることはないので、安定性も期待できると考えました。当初は消費者にとって身近な製品に携わりたいと考えてB to Cの領域で検討したのですが、より広い範囲に影響を与えられるB to B企業のほうが面白いのではないかと思うようになり、同時に替えの効かない原材料である穀物を扱うという強みに惹かれ、昭和産業を志望するようになりました。もちろん機械等を学んできたわけではなかったので不安はありました。しかし面接の場で、専門性よりも向上心や前向きな姿勢があれば大丈夫と聞いたことで、思い切って飛び込んでみる決心がつきました。実際、最初に配属された鹿島工場では製粉工場で仕事をしたのですが、スパナやメガネレンチなど基本的な工具の名称すらわからない状態のスタートでした。しかし、わからないことがあるたびに調べ、周囲の先輩にも教わりながら知識を増やしていったことで、無理なく業務になじめるようになりました。自分のやりたい仕事だからこそ学ぶこと自体が喜びになり、成長の原動力が生まれるのだと思います。
「製粉技術グループ」の仕事とは
グループ会社・委託先を含む昭和産業小麦粉製品を作るすべての製粉工場を支援することが製粉技術グループの使命です。具体的な業務としては、各工場での製造方法の設定、新規設備導入の推進、各工場の課題解決支援(歩留まり改善、増強計画、設備仕様検討、新規製品の製造方法の立ち上げ等)、原料配合指示、需給管理など多岐にわたります。司令塔のような立場で全国の製粉工場に目を配り、的確な支援を行うことが求められます。
ものづくりが好きだから飛び込んだ製造現場。
知識は仕事をしながら身につけました。

全国の工場に寄り添い、
ものづくりの現場を支援する。
現在私は昭和産業グループの技術拠点であるRD&Eセンターの製粉技術グループに所属し、全国の製粉工場を生産面で管轄する本部のような立場で業務に当たっています。具体的には各工場の歩留まりの改善、新設備導入の支援、製造内容の指示などを担当しています。例えば小売業のお客様から新しいパンを作りたいというご相談があると、まずどんな小麦粉で実現できるかを開発陣と検討していくのですが、その小麦粉をどこの工場で生産するのが最適なのかを検討し、具体的な製造内容を指示することが役割となります。既存のパンの味や食感を変えたいというご相談をいただいた場合も同様です。それらのパンがコンビニの棚に並んでいるのを目にすると達成感が得られますし、ものづくりの醍醐味を感じます。印象に残っているのは、歩留まりの低下に苦しんでいたグループ会社の件です。同社は歩留まりの低下に歯止めをかけられず、業績の低下によって社内にはネガティブな雰囲気が漂うようになっていました。小麦というのは収穫年の作柄や生産地域の違いによって品質が左右されるので、歩留まり改善といってもなかなか思うようにいかないものなのです。そこで我々が支援に出向き、歩留まりの改善に向けて手を打ったところ、次第に状況は改善。それに伴って会社の雰囲気も明るくなったことがはっきりと感じられました。その際の「ありがとう」「助かりました」という言葉は、本当に嬉しかったです。製造現場の方々に頼りにされているという実感は、私にとって一番のやりがいです。

海外展開やDXなどにも取り組み、
生産現場の変革を支えていきたい。
日本の人口が減少するに伴って、小麦粉の使用量も減っていくことは避けられません。その中で昭和産業が魅力ある会社として選ばれ続けていくためには工場全体として生産効率を上げていくことが重要となるでしょう。私は今まで以上に知識、経験、スキルを磨くことで、その課題に貢献できる人財になりたいと考えています。また、海外での事業展開にも力を入れていくことを会社の方針として掲げているので、台湾や中国の製粉会社でも日本と同等の品質のものづくりができるよう、支援をしていきたいと思います。さらには生産現場のDXも始まりました。リアルタイムで生産状況を把握し、AIの活用によって最適な生産計画を立案するなど、様々なイノベーションが生まれるでしょう。生産現場のそうした進化にも伴走していきたいと考えています。


ONE DAY schedule
仕事後やオフの過ごし方
休日も家族と一緒に過ごすことがほとんどです。ショッピングモールへ買い物に出かけ、一緒にお昼ご飯を食べたり、公園で遊んだり。長い休みの時は、旅行に出かけています。温泉が好きなので、美味しいものをいただいてゆっくりとお湯に浸かり、リフレッシュしています。
