生物多様性保全への取り組み

昭和産業グループ 生物多様性保全方針

昭和産業グループは「昭和産業グループ 行動規範」に基づき生物多様性保全方針を制定します。

昭和産業グループは、全ての企業活動が自然からの恵みを受ける一方で、同時に様々な影響を与えています。将来にわたり自然からの恵みを受け続けていくためには、生物多様性の保全が重要であると認識し、企業活動との調和を目指した生物多様性に配慮した3つ(「守る」「活かす」「伝える」)に取り組み、持続可能な社会の実現に努めます。

  1. 「守る」
    企業活動における生物多様性への影響を把握し、生物多様性に与える影響を軽減する取り組みを進め、自然を守ります。
  2. 「活かす」
    企業活動に欠くことのできない自然の恵みを、余すところなく大切に活かします。
  3. 「伝える」
    企業活動を通じた取り組みに関する情報をステークホルダーへ適切に伝え、対話を行い、生物多様性保全の活動に反映させることに努めます。

制定日:2011年4月1日
改定日:2024年4月1日

飼料米による生物多様性保全

昭和産業は小麦粉・油脂・糖類などの製造で発生する副産物を、飼料・肥料・工業用原料に活用し、大地(自然)の恵みを余すところなく大切に活かす食品循環型企業です。
飼料分野では、2008年より飼料用米を購入し、配合飼料として養鶏場などに販売しています。この飼料用米による生物多様性の取り組みを紹介します。
昭和産業は、多くの飼料メーカーが使用している玄米だけでなく、モミ米(モミ殻付きの米)も養鶏用飼料として使用しています。モミ米の購入に当たっては、穂が出てからは農薬を使用しないことを生産者に約束していただき、飼料の安全性を確保しています。(毎年外部機関にて残留農薬検査を実施しています。)
また飼料用米の水田には、取引先の養鶏場で発生した鶏糞の一部を堆肥として還元しています。鶏糞堆肥は化成肥料と比較して、土中への成分浸透が遅いといわれてます。仮にあっという間に成分が浸透してしまうと、稲が吸収しきれないまま、それらの成分が地下水に混ざってしまうことになります。鶏糞堆肥ではそうしたことが起こりづらいため、散布による土壌や地下水への影響が少ないと考えております。
以上のように、当社は飼料用米を配合飼料として使用することで、飼料用米を生産する水田の小魚や昆虫などがすみやすい環境を保全し、これからも日本の原風景である水田の環境維持に貢献していきたいと考えております。

飼料用米による生物多様性

図(出穂以降に農薬を使用しない水田、モミ殻付き飼料用米を配合、鶏糞の水田還元(鶏糞は、土壌・地下水への成分残留が少ない))

製造工程副産物を活用した畑土壌環境の改良

昭和産業の糖質製品製造工程において発生する副産物「糖含有珪藻土」を土壌還元消毒のための資材として活用する取り組みを紹介します。

糖質製品製造工程において、コーンスターチを糖化して得られる液糖を精製する際に副生するろ過助剤(主に糖を含んだ珪藻土:以下、糖含有珪藻土)は、これまで主に産業廃棄物として処理されていました。農畜産分野での有効活用について検討を重ねた結果、農作物の連作障害を防ぐ手段の一つである土壌還元消毒に適用できることを確認し、特許を取得しました(特許第7471122号【土壌改良材およびその製造方法】)。糖含有珪藻土を土壌還元消毒資材として活用することで、廃棄物処理に伴う環境負荷を低減し、土壌消毒に用いられる化学農薬(土壌くん蒸剤)の使用量削減も期待できます。糖含有珪藻土による土壌還元消毒は農作物に対する病原菌や寄生性センチュウ等に汚染された土壌の消毒が可能であり、他の有機物(小麦ふすま、米ぬか等)を用いた土壌還元消毒と比較して土壌の深層部まで効果が期待できます。

以上のように、「糖含有珪藻土」により化学農薬(土壌くん蒸剤)を代替することで、環境負荷の低減や畑土壌における生物相の改良、生物多様性の保全が期待されます。