環境負荷の低減

地球環境の悪化は、当社グループの主原料である穀物調達における大きなリスクであり、環境負荷低減に向けた取り組みは当社グループのマテリアリティの一つです。「昭和産業グループ環境目標」の確実な達成に向け、「中期経営計画23-25」の最終年度となる2025年度の目標値を設定しました。
さらに、環境への取り組みを加速させるため、4つ目の環境目標として新たにプラスチック使用量の削減目標を設定しました。

KPIと目標

図

CO2排出量の削減

昭和産業グループではCO2削減に向けて、政府目標に合わせた「2030年までに2013年度比で46%以上削減」を掲げ、CO2削減の取り組みを継続しています。2021年9月に鹿島工場のコージェネ設備の燃料を石炭から都市ガスへ変更したことにより、年間で約6万3千tのCO2削減を達成しています。また、油脂製造工程で発生する副産物や廃棄物からバイオマス燃料(脂肪酸、ダーク油)を取り出して、これらを自社で利用する取り組みにより、2022年度は約2千4百tのCO2を削減し、2013年度比27%の削減となりました。カーボンニュートラル電力、太陽光発電の導入を行っており、さらにバイオマス燃料の利用を図っていきます。
加えて、カーボンニュートラルの実現に向けては、長期的な省エネルギー活動の推進と、バイオマス燃料の利用拡大を検討していきます。さらに、電力や蒸気の燃料である都市ガスを非化石燃料に転換することが鍵となるため、水素や燃料アンモニア、次世代熱エネルギー産業の実用化動向を注視していきます。

CO2排出量の推移(昭和産業グループ)

グラフ

食品ロスの削減

食品ロスの発生は、処理にコストがかかることと、可燃ごみとして燃やすことでCO2排出や焼却後の灰の埋め立て等による環境負荷が考えられます。
本来食べられるのに捨てられてしまう食品を減らす取り組みを当社グループでは継続して行っており、「中期経営計画23-25」においても当社および食品ロス発生量が100t/年以上のグループ会社5社を対象として「2025年度に食品ロス発生量を2018年度比で30%以上削減する」という目標を掲げ「食品ロス削減部会」にて管理をしています。
2022年度は、工程改善による原材料使用の適正化、需給予測精度の向上、賞味期限の延長への取り組み等を行い、2018年度比22.1%の削減となりました。
引き続き、削減活動を推進し、資源の有効活用、環境負荷低減への責務を果たしていきます。

水使用量の削減

地球温暖化の進行、また世界人口が増加する中、「水リスク」は常に上位に位置づけられており、その脅威は年々強まってきています。当社グループの事業活動に水資源は必要不可欠であることから、取水による環境への影響を抑制するために、2021年度に設置した「水使用量削減部会」を中心にして、水の使用量の削減に取り組んでいます。
海水を除いた水使用量を生産量で除した水使用量原単位について、「中期経営計画23-25」の目標では、当社グループで2025年度までに2019年度比で9%以上削減、そして、2030年度には12%以上削減するという目標を設定しています。
既存の工程の見直しや効果的な施策の導入を通じて、2022年度は2019年度比6.5%の削減となりました。
今後も、当社グループでは、限りある水資源を有効利用するため、水使用量の削減に継続的に取り組んでいきます。

プラスチック使用量の削減

当社グループでは、プラスチック使用量の削減のため、これまでに既存製品のプラスチック目付量の見直しや包装材質の選定、ならびに使用構成の変更を行ってきました。
そして、2023年度に新たに「プラスチック削減部会」を発足させ、多量排出事業者である当社およびグループのタワーベーカリーを対象としてプラスチック削減量の数値目標を定めました。具体的には、一度だけ使われて廃棄される「ワンウェイプラスチック」の使用量を生産量で除した原単位(プラスチック使用量原単位)を、2013年度を基準年とし、2025年度までに7%以上削減、さらに2030年度には25%以上削減するというものです。
当社グループでは、容器・包装資材の見直しを継続して、プラスチックの使用量の削減に努め、環境負荷の低減に取り組んでいきます。

「第24回 物流環境大賞」特別賞を受賞!!

当社では従来、工場間の長距離輸送については大型トラックによる陸上輸送を主体に行ってきましたが、当社鹿島工場(茨城県)から神戸工場(兵庫県)までの路線において、環境負荷の低減と物流の2024年問題への対応を目的として、フェリーを活用した海上輸送と、スイッチングによる陸上中継輸送を導入しました。
いずれも、通常の大型トラックからトレーラーへとさらなる大型化を実現しており、懸念されるドライバー不足にも対応したものです。
この「CO2排出量の削減と法令を遵守した持続可能な運行を実現」という取り組みが評価され、一般社団法人日本物流団体連合会主催の「第24回 物流環境大賞」表彰式にて特別賞を受賞しました。

今後も環境問題に配慮し、持続可能な運行の実現と拡大に継続して取り組んでいきます。