物流体制の最適化

物流業界においては、ドライバーの不足、環境負荷の低減、荷役作業の効率化等が課題となっています。このような中、2019年4月より、国民生活や産業活動に必要な物流を安定的に確保するとともに、経済の成長に役立つことを目的とした「ホワイト物流」推進運動が実施され、昭和産業でもこの運動に参加し、物流の効率化に取り組んでいます。

ドライバーの労働時間規制対応

トラック長距離輸送削減

既存物流拠点(工場・支店倉庫)からの遠方地点に物流拠点を順次開設(2019年~)

明治と昭和産業の鉄道コンテナ共同利用による物流のモーダルシフト

当該輸送におけるCO2排出量を約70%削減

昭和産業株式会社は、株式会社明治と共同で、千葉県から兵庫県までの物流の一部(約590㎞部分)を、トラックによる輸送からオートフロア機能付きのコンテナを利用した鉄道による輸送に切り替えるモーダルシフトを2023年2月より開始しています。
本取り組みにより、CO2排出量を年間20t削減(削減率70%)するとともに、製品の積み込み作業の省力化などによる物流業務の効率化に貢献。また、他社とのコンテナ共同利用によるモーダルシフトも検討しています。

物流に関わる環境負荷低減と物流業務の効率化への取り組み

図(実施前:トラック輸送、実施後:鉄道輸送)

  • ※オートフロアとは、荷台の床を電動でスライドさせるための装置で、荷物を荷室の入口に積み、床ごと奥にスライドさせることで荷室の奥まで荷物を移動できます。このため、積み降ろし時に荷室内で作業を行うことなく荷室の奥まで積み降ろしを行うことができ、作業時間を短縮し業務の効率化を行うとともに、作業者の業務負担の軽減につながります。

物流効率の向上

デザイン・フォー・ロジスティクスの推進

PB向けホットケーキの荷姿変更による積載率向上(2022年8月~)

従来品

外箱規格 490mm×345mm×245mm
荷姿 12.0kg/箱
積載数 6箱×5段=30箱/PL
積載重量 360kg/PL

改善品

外箱規格 480mm×300mm×245mm
荷姿 10.8kg/箱
積載数 8箱×5段=40箱/PL
積載重量 432kg/PL

積載効率20%UP・低床大型トラックへのパレット2段積み可

部署間でも連携を強化

資材購入部門×物流部門 配送車両を活用した調達物流

車両の有効活用と積載効率向上を実現

図(取組前:車両2台での片道配送、取組後:車両1台での往復配送(ラウンドユース))

納品リードタイムの延長

物量の早期把握と出荷作業の時間を創出

受注翌々日納品…出荷当日11時の受注締め時間を、出荷前日11時に1日前倒し

  • 配車手配の効率化
  • 配送能力向上
  • 荷待ち時間短縮
  • ドライバーの労働時間の改善

図

自動化・省人化による労働力不足への対応

神戸工場(兵庫県神戸市)内の製粉立体自動倉庫更新

物流機能の改善および効率化に向け、神戸工場(兵庫県神戸市)内の製粉立体自動倉庫を更新し、新設します。設備投資金額は35億円、2026年2月の完成、稼働開始を予定しています。
現在物流業界では労働力不足が顕在化しており、さらにドライバーの労働時間に上限が課せられるなどの「2024年問題」、またモーダルシフト、輸送拠点の集約などCO2排出量を削減していく「グリーン物流」への対応が求められています。これらの課題にも対応すべく、新しい立体自動倉庫では製造から保管、ピッキング、出荷までをコンピューターにより一元管理を行い、現在は人手を要している作業を自動化・省人化し、積込み時間・待機時間短縮を図り、物流機能の改善、効率化を図ります。

神戸工場 製粉立体自動倉庫の更新


完成予想図

所在地 昭和産業株式会社 神戸工場内
(神戸市東灘区御影浜町5番地)
延床面積 3,900m2(倉庫、出荷場等)
投資総額 35億円
保管品目 小麦粉製品(パレット積み紙袋品)
立体自動倉庫収容力 190千袋(4,750トン)
稼働 2026年2月
  • ※上記の他にも、更なる改善策として工場で車両の入出庫時間管理を目的としたシステム導入の検討や、積替え作業負荷軽減などに繋がるマテハン機器の導入を検討しています。