日本でもっと定着させるために必要なこと
海外では当たり前のように利用されているドギーバッグが日本でも普及し、フードバンクに協力する人や企業が増えていくためにはどんなことが必要なのでしょう。
「どちらも、リスク回避が普及を阻んでいる要因の一つです。ドギーバッグについては、食中毒になったら・・・という心配から持ち帰りを断っているお店が多いのです。日本の料理には生ものも多く、高温多湿な気候も食中毒発生の要因になり得ると考えられています。食べ切れなかった場合は、お店の人に頼んでみて自分の判断と責任でドギーバッグを利用する人が増えれば、少しずつ変わっていくのではないでしょうか」
「フードバンクについては、ヨーロッパやアメリカでは、善意の寄付による品に万が一不備があっても、意図せざる事故であれば責任を問わない免責の法律(善きサマリア人(びと)の法)があります。日本ではそうした法制度が整っていないために、企業が寄付しづらい背景があります。しかし、近年ではフードバンクの事業を資金面でサポートしたり、食品を寄付する企業や団体も増えてきています」
海外ではスーパーマーケットで実施するフードドライブが多いそうですが、日本でもスーパーのほか、世田谷区や文京区、杉並区などフードドライブを常時実施している自治体が増えています。また、農林水産省のホームぺージでは、フードバンクの仕組みや各地のフードバンクが紹介されています。この機会にぜひ、お近くの団体や企業などの活動で参加できることがないか調べてみてはいかがでしょう。