日本食ブームに沸くアメリカでヒットした「天ぷら粉」。しかし、アメリカで評判となっても"日本では売れない"というのが社内の大方の意見でした。せめて市場調査ぐらいはしてみようとアンケート調査を実施すると、意外な結果が...。
第二章 国内販売編(上)~発売に至るまで~
解説①
アメリカで天ぷら粉が評判となっても、日本では天ぷら粉は売れないというのが社内の大方の意見でした。日本の主婦はアメリカの主婦とは違い、昔から普通に小麦粉に卵などを合わせて上手に天ぷらを揚げていたので、国内では売れる訳はないと決め込んでいたのです。
解説②
アメリカで売り出した約半年後、昭和36年の早春。国内では売れないかもしれないが、せめて市場調査くらいはしてみようと考えたものの、会社始まって以来の市場調査。広告代理店に頼むなんて思いもよらず、お金をかけることもできませんでした。そこで、極めてシンプルなアンケート調査を実施したのです。
解説③
アンケート内容は、「買う」「買わない」の1問だけ。対象は、女性で、高年層・中年層・若年層と3つに分けました。結果、「卵はいらない、ただ水で溶くだけ!」という点が気に入られ、すべての世代で高評価に。これが決め手となり、日本でも売れると判断した食品部は、その後総力を上げて天ぷら粉発売に向けて邁進したのです。
※ 役職名や部署名は当時のものです