誰でもおいしく簡単に揚がる!
世界初の「天ぷら粉」は誕生60年
~昭和天ぷら粉ストーリー~
昭和産業が世界で初めての「天ぷら粉」を発売したのは、今から約60年前の1959年のこと。天ぷら粉と天ぷら油をギフトセットとして商品化したのが最初です。しかし、当時の日本では、小麦粉を使って天ぷらを揚げるのが当たり前のことだったので「天ぷら粉」の魅力が消費者に伝わらず、売れ行きは今ひとつでした。
そんな時、ある個人営業の貿易商から「アメリカのロサンゼルスで日本食がブームになっているが、天ぷらを上手に揚げられない人が多い。誰でもうまく天ぷらが作れるミックス粉はないか」という問い合わせが舞い込みます。
そこで、倉庫に眠っていた天ぷら粉をサンプルとして渡したところ、1960年(10月)にロサンゼルスで「SHOWA TEMPURA BATTER MIX」として発売され、評判に。太陽やひまわりをモチーフとしたパッケージデザインはそのときに完成したもので、今も「昭和天ぷら粉」の"顔"となっています。
天ぷら粉が米国で評判になったことから国内需要を確信した昭和産業は、1961年(6月)に国内初の家庭用天ぷら専用粉「昭和即席天ぷら粉」を発売。続く1962年には、日本の天ぷらの起源とされる長崎天ぷらの要素を取り入れた業務用天ぷら粉「金天ぷら粉」「銀天ぷら粉」を発売します。
テレビCMでは、料理ができそうな女性タレントではなく、あえて料理とは無縁そうな男性(落語家)を採用し、"誰がやってもうまく揚がる""タダの小麦粉では駄目"というキャッチコピーで販促や宣伝をすると、今度は国内でも大ヒット!これがきっかけとなり、"天ぷら粉の昭和"といわれるまでに成長していきます。
「昭和即席天ぷら粉」の発売と同時に、昭和産業では天ぷら衣用粉製造法の特許を出願。1971年に特許登録し"天ぷら粉のパイオニア"としての地位を確立します。
さらに、既存商品のヒットに甘んじることなく、付加価値の高い新商品でプレミックス市場のシェアを拡大したいという思いから、1983年に家庭用高級天ぷら粉「天ぷら粉黄金」、その翌年に業務用「黄金天ぷら粉」を発売します。
「昭和天ぷら粉」は"家庭で誰でも簡単においしい天ぷらができる"というコンセプトでしたが、新たに開発された「黄金」が目指したのは家庭でプロの味が再現できる高級タイプの天ぷら粉。原料と配合にこだわり、特等薄力小麦粉とパンプキンパウダーを使用することで揚げ上がりの黄色みが強く、よりカラッと、サクッとした食感に揚がるのが特徴です。商品名は、すでに発売していた業務用商品「金天ぷら粉」「銀天ぷら粉」の上をいくということで「黄金」になりました。
日本が安定成長期を迎えていたこの頃、スーパーマーケットの惣菜売り場でも天ぷらは目玉商品として期待されていました。そうしたなか、揚げたてのサクサクした食感が持続する業務用「黄金天ぷら粉」の明るい黄金色の衣は"天ぷら売り場の色を変えた"と評され、多くのスーパーで大評判に。後を追う形で"家庭用もおいしい"と人気が広がり、現在でも高級タイプの天ぷら粉として親しまれています。
1990年代後半になると、食に対する嗜好性や家族形態の変化、働く女性や共働き世帯の増加、少子高齢化といった動きが顕著になりました。そこで、多様化する消費者ニーズに合わせ、1995年に天ぷら初心者でも"かんたんに揚がるんです"とうたった「楽々天」、2001年には業界初の"スグ溶け製法"でサッと水に溶け、カラッと揚がるライトな食感の「天ぷら大サクッ戦!」を発売。2006年には少ない油でもカラッと揚がる「フライパンでできる昭和天ぷら粉」、2014年には輸出用天ぷら粉を発売しました。
2016年には創立80周年を記念し、初心者でもほめられる天ぷらが簡単に作れる「おいしく揚がる魔法の天ぷら粉」を発売、業務用でも北海道産小麦粉※を使用した「天ぷら粉 大地のかがやき」を発売しました。
世界で初めての天ぷら粉が誕生してから60年。
昭和産業は今までも、そしてこれからも元祖天ぷら粉メーカーとして、また"食"にかかわる課題解決力を持つ穀物ソリューション・カンパニーとして、日本の様々な食シーンを支えていきます。