マンガで見る「昭和天ぷら粉」発売秘話 第一章

昭和34年、天ぷら油とのセットでギフト用に製造された「天ぷら粉」。しかし、全然売れず、倉庫で眠ることに。ところが、あることがきっかけでその天ぷら粉が目を覚まします。当時のブームが火付け役となり、天ぷら粉の運命を変えたそのきっかけとは?

第一章 「昭和天ぷら粉」誕生編

第一章「昭和天ぷら粉」誕生編
              倉庫に眠っていた天ぷら粉が。ひょんなことからアメリカデビュー
              昭和35年 昭和産業本社
              はあ...どうしよう倉庫の天ぷら粉
              せっかく天ぷら油とセットでギフト販売したのに全然売れなかったな...
              突然すみません!
本日はご相談があって参りました
              今アメリカのロスで日本の天ぷらがブームなんですが...
              家庭でうまく揚げられいという声が多数寄せられているんです
              誰でもうまく天ぷらを揚げられる粉はないでしょうか?
              ちょうどいい商品があるかもしれません!確認いたしますので少々お待ちください
              きっと倉庫にある天ぷら粉がピッタリだぞ!
こちらを使ってみてください!
              後日
              この前の天ぷら粉アメリカ人にかなり評判がいいですよ!!
              正式にアメリカで売りたいと思うんですがどうですか?
              本当ですか!?ありがとうございます!すぐに手配しますね!
              このストーリーは実話をもとにしていますが、登場人物の名前、状況設定などは変えています。
              マンガ制作:ad-manga.com

解説①

ホットケーキの素

昭和34年の夏、天ぷら粉と天ぷら油のセットがギフトとして発売されました。しかしこの商品、日本ではほとんど見向きもされず、天ぷら粉は本社倉庫でしばらく眠ることに。余談ですが、当時は、ホットケーキの素が主役の時代。実は、天ぷら粉はすでに発売されていた無糖タイプのホットケーキミックスからヒントを得た料理教室(当時)の浅井先生によって考案されたものでした。

解説②

昭和の天ぷら粉

昭和35年頃、当時のアメリカでは日本食がブームでした。日本の天ぷらはロサンゼルスの家庭でも流行していましたが、どうもうまく揚げられない人が多い。そこで、ある貿易商の青年は、誰でも簡単に作れる天ぷらの粉はないだろうか?と思い付き、昭和産業の扉を叩いたのです。偶然その場に居合わせた社員が 「それなら、倉庫に眠っている天ぷら粉がピッタリだ!」とひらめき、しばらく倉庫で眠っていた天ぷら粉を見本として青年に渡しました。

解説③

SHOWA TEMPURA BATTER MIX

相談にきた青年は、個人営業の貿易商社マン。日本の特産物を小ロットで主にアメリカに輸出している貿易会社で、卸し先はロスの商店でした。アメリカでの天ぷら粉の名称は「SHOWA TEMPURA BATTER MIX」。商品パッケージのデザインは、貿易商社マンの奥様の創作によるもので、現在の天ぷら粉の原型となっています。

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